心の塵や垢を除き、悟りを開く

2018年 07月5日 - 日常

昔、お釈迦さまのお弟子さんに、たいそう物覚えの悪い「周利槃特(シュリハンドクノ)というお坊さんがおりました。
どのくらい物覚えが悪いかというと、自分の名前さえも時々忘れてしまうくらいです。
ある日のこと、ハンドクが祇園精舎の門前でしょんぼりしていました。
お釈迦さまが静かに足を運ばれて声をかけると、ハンドクはこう言いました。
「私はどうしてこんなに物覚えが悪いのでしょうか。短いお経ひとつ覚えられない愚か者です。お坊さんをやめようかと思案しているのです。」と。
お釈迦さまは「いやいやハンドク、おまえは愚か者ではない。おまえは自分のことを愚かな人間と言っているが、本当の愚か者は自分が愚かなことを知らないものだよ。」と言い、ハンドクに一本の箒(ほうき)を与え、改めて次の一句を授けたのです。
「塵を払わん、垢を除かん」。
まじめなハンドクは、それからというもの、来る日も来る日もその一句を唱えながら、命懸けで門前の掃除に精進しました。
一斉に花が咲く春が過ぎ、焼け付くような暑い夏が過ぎ、落ち葉が舞う秋が過ぎ、木枯らしが吹きすさぶ冬も過ぎました。
ハンドクは、自分にできることを一生懸命おこないました。
それが何年も何年も続きました。
みんなから愚か者と言われ続けたハンドクでしたが、やがて自分の心の塵や垢を除き、悟りを開き、ついには尊い「神通説法第一の阿羅漢様(聖者)」になったというお話です。

サッカーW杯、日本は8強を逃し今日帰国しました。
海外メディアは、サポーターが試合後にゴミを拾う姿を、驚きと感嘆をもって伝えています。
「来た時より美しく」という言葉が日本のサポーターにはあるそうです。
応援する側とされる側が築き上げ、一体感に支えられた18日間の快進撃を、私たちは忘れてはいけません。

文科省局長を受託収賄容疑で逮捕、見返りは我が子の合格。  法華坊主 joe

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