今を懸命に正しく生きる

2018年 07月14日 - 日常

お盆は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます。
旧暦の7月15日を中心に行われる先祖供養の儀式で、お正月と同じく重要な行事の一つとされています。
先祖の霊があの世から戻ってきて、また、天に帰っていくという日本古来の信仰と、仏教の行事が結びついたものとも言えましょう。
この盂蘭盆会はサンスクリット語の「ウラバンナ」の音訳で、「さかさまに吊るされた苦しみ」と言う意味です。

その昔、お釈迦さまの弟子(十大弟子)のひとりに目連尊者(もくれんそんじゃ)という方がおりました。
目連尊者は、神通力に長けていたので、ある時その神通力をもって、死んだ自分の母親がどこの世界に生まれ変わったかを覗き見てみました。
その結果、亡き母が餓鬼道(がきどう)に堕ちて苦しんでいるのを見いだします。
目連尊者は母を救うべく、自らの神通力をもって、母に飲食(おんじき)を与えようとしますが、たちまち紅蓮の炎となって母の身を包み、その苦しみをかえって増してしまいました。
そこで目連尊者は、母の救済法をお釈迦さまに問います。
するとお釈迦さまは、「母ひとりを救うだけでなく、多くの僧を集めて、彼ら修行者に飲食物を供養し、皆で祈るべきです」と教示され、雨季の終わる7月15日という日を選んで、これを実行し、ついに母を成仏させることができたといわれます。
これがお盆の由来です。
また日蓮聖人は、目連尊者のお話を紐解いて、『盂蘭盆御書』に「私たちが今を懸命に正しく生きることによって、私たちの父母も祖父母も、ひいては七代前のご先祖様も仏になることができ、さらには子や孫、七代先の子孫までも仏になることができる」と説かれております。
お盆は特定の先祖を供養するにしても、そのお心を仰げば仰ぐほど、大いなるご先祖様によって私たちのいのちが恵まれたことを知り、感謝する気持ちを思い出させる良い機会と言えるでしょう。

今日、福島も梅雨明け。  法華坊主 joe

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