東山ブルーが清涼な色彩

2018年 11月29日 - 日常

昨日の美術展巡りの第二弾!
「ボナール展」と同じく国立新美術館で開催されている「東山魁夷展」は、彼の生誕110周年を記念する回顧展です。
横浜に生まれた東山魁夷(1908~1999年)は、情感にみちた静謐な風景画により、戦後を代表する国民的日本画家と謳われてきました。
東京美術学校を卒業した東山魁夷は、昭和8年にドイツ留学を果たし、後の画業につながる大きな一歩を踏み出しましたが、その後、太平洋戦争に召集され、終戦前後に相次いで肉親を失うなど、苦難の時代を過ごしました。
どん底にあった東山に活路を与えたのは、自然が発する生命の輝きで、昭和22年に日展で特選を受賞した「残照」の、日没の光に照らされて輝く山岳風景には、当時の東山の心情が色濃く反映されており、新たな感動を得ました。
この展覧会では、完成までに10年の歳月を費やした、東山芸術の集大成とも言える「唐招提寺御影堂の障壁画」を特別に再現展示されており、これも必見です。
東山絵画との対面は、平成25年秋、地元の大山忠作美術館(二本松市)で催された「文化勲章受章画伯による心の復興支援〈五星山展〉」(東山魁夷・髙山辰雄・平山郁夫・加山又造・大山忠作)以来か?と思いましたが、去年の今ごろ中山・法華経寺の帰りに訪ねた「東山魁夷記念館」(市川市)においても清澄な画面を拝見したことを思い出しました。
今回も東山芸術特有の、装飾性を帯びた構図においても自然らしさを失わず、青が印象的な清涼な色彩の力も駆使し、見る者の感情とも響きあう独自の心象風景を鑑賞することが出来、感動一入です。

東山絵画には、「光昏」「秋翳」「月篁」「谿紅葉」「濤声」等々の作品名の如く、凡人には読めない字、書けない字、意味の分からぬ単語などが多く、同行人と首を傾げコソコソ囁きながら観て巡りました。
ちなみに会場となった国立新美術館は、日本で5館目の国立美術館として平成19年1月に開館し、地下1階、地上4階、敷地面積30,000㎡、延床面積47,960㎡は日本最大で、黒川紀章設計の美術館としては最後のものです。

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