自然体の佇まいにしんみり

2018年 11月30日 - 日常

上京中の美術展鑑賞記はチョッとお休みして、映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」について記します。

エッセイストの森下典子さんが約25年にわたり通った茶道教室での日々をつづり、人気を集めたエッセイ「日日是好日『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を、黒木華主演、樹木希林・多部未華子の共演で映画化(監督:大森立嗣)されたものです。
茶室の中のような凛とした空気が張り詰めた清々しい作品ですが、かと言って決して堅苦しさはなく、茶道を体験してない方でも茶道の奥深さの一端に触れられたような気分になります。
それもこれも希林さんの稀有な存在感あってこそとつくづく思います。
目まぐるしい現代と一線を画す、熟成された様な刻の流れと、もうお目にかかれ無い希林さんの自然体の佇まいにしんみりさせられます。
「まず形から。先に形を作っておいて、後から心が入る」
「雨の日は雨を聴く。雪の日は雪を見る。夏には暑さを、冬には身の切れるような寒さを、五感を使って全身でその瞬間を味わう」
「世の中にはすぐわかるものとすぐわからないものがある。すぐにわからないものは長い時間をかけて、少しずつ気づいてわかってくる」
等々、希林さんが発する名言は、心を打ち涙がぽろり。
二十四節気による季節の移り変わり、床の間の掛け軸の解釈、季節の茶菓子の名前と由来、いろんな角度からお茶の世界を垣間見ることができました。
「カメ止め」とは異なり、穏やかで落ち着いたいい映画、いい時間でした。
イオンシネマ福島は平日の午前1回だけの上映で、ほとんどが中高年女性。
上映期間も少なくなってきましたからぜひ足を運んでみてはいかがですか?
僕の次作は「ボヘミアン・ラプソディー」。

今年も残り1ヶ月、31日、744時間。  法華坊主 joe

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