扇、もっとも身近な美術品

2018年 12月18日 - 日常

「忙中閑(ぼうちゅうかん)あり」という言葉をご存知ですか?
「多忙を極める中にもわずかな暇はあるものだ」という意味です。
「忙しい中に暇を見出して満喫せよ」などのような意味合いで用いられることが多いようです。
ということで、師走の忙しい時期ではありますが、上京して現実を逃避してきました。
東京・六本木の東京ミッドタウン・ガレリア3Fにあるサントリー美術館では、「扇の国、日本」展を開催しています。
JR東日本「大人の休日倶楽部」の招待で、日本人が愛した悠久の扇の世界を鑑賞してきました。

日本で生まれ発展した「扇」の起源は早く、10世紀末には中国や朝鮮半島に特産品としてもたらされという文献が残されています。
宗教祭祀や日常生活での用具としてだけでなく、気分や場所、季節に応じて携帯できる「扇」は、貴賤を問わず、もっとも身近な美術品として親しまれてきました。
和歌や絵が施されたものは、贈答品として大量に流通し、また、人と人をつなぐコミュニケーション・ツールの役割も担ったそうです。
さらに、屛風や巻物、工芸や染織などとも結びつき、多彩な作品が生み出されていきました。
法華坊主も仕事柄、中啓・雪洞・桧扇といった「扇」を使用しますから、たいへん興味深く拝観してきました。

訪日客、過去最多の3000万人突破。  法華坊主 joe

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