永田生慈氏のコレクション。

2019年 02月21日 - 日常

昨日は映画の話をしましたが、今日は美術展の話をしましょう。
先日上京の折に「新・北斎展」(~3/24、東京・六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリー)を観てきました。

葛飾北斎は、江戸時代の浮世絵師。
グレート・ウェーブとして世界的に知られる「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」などの風景画を収めた代表作「冨嶽三十六景」や『北斎漫画』は、今なお世界的に高い評価を得ています。
北斎の約70年におよぶ絵師人生を、勝川派の絵師として活動した「春朗」に始まり「宗理」「葛飾北斎」「戴斗」「為一」そして自由な発想と表現による肉筆画に専念した「画狂老人卍」まで、その壮大な画業を通覧し6期に分けて紹介しています。
多くの作品の中で、圧倒的な存在感を放っているのが《弘法大師修法図》。
戦後行方がわからなくなっていた作品で、1983年に永田生慈(ながたせいじ)氏の考究により、西新井大師の物置で見つかったとのこと。
北斎の肉筆画としては最大級のもので、現代でいう「後期高齢者」の時期に、衰えるどころかこのド迫力と緊張感に、驚愕いたしました。

北斎を語るとき、2018年2月6日に他界した北斎研究の第一人者、永田生慈氏の功績を忘れてはいけません。
この展覧会では、約480件の作品が展示されますが、そのうち件数では7割、点数では9割が永田コレクションの作品なのだそうです。
永田氏は約半世紀をかけて、北斎やその門人の作品を蒐集し、2,000件を超えるコレクションを形成しました。
永田氏の遺志により、コレクションは一括して、故郷・島根県に寄贈されるそうで、「新・北斎展」閉幕後は、島根県立美術館のみで公開されることとなるようです。
東京で永田コレクションを観ることができるのはこれが最後、貴重な機会をいただきました。

統計不正は厚労省の忖度、それでもひとごとの安倍内閣。  法華坊主 joe

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