「燕子花」、なんと読む。

2019年 05月7日 - 日常

東京都港区表参道駅近くに「根津美術館」があります。
東武鉄道の初代社長を務め、さまざまな鉄道会社の経営に携わったことから「鉄道王」と呼ばれた根津嘉一郎(ねづかいちろう)の日本と東洋の古美術コレクションをもとにつくられた、日本では数少ない戦前から続く美術館です。
竹の生け垣と砂利の小道に沿ってアプローチを進むと、伝統と現代がみごとに融合した、建築家・隈研吾が2009年に設計した本館が見えてきます。
すっきりとしたシルエットはまるで寺院建築のようです。

館内では、「尾形光琳の燕子花図ー寿ぎの江戸絵画」特別展(~5/12)が開催されていました。
尾形光琳(1658~1716)による国宝「燕子花図屏風」は、草花図であると同時に『伊勢物語』の一節「八橋」の場面に基づくものだそうで、根津美術館では庭園内の燕子花(カキツバタ)が咲く時期にあわせ、毎年4月中旬から4週間のみ公開されているそうです。
今回の「燕子花図屏風」の展示は三章で構成され、 第一章の作品の題材は、江戸時代の人々が憧れた公家風俗や王朝文学。
つづく第二章で集める草花図も、江戸初期の宮廷周辺における草花ブームに端を発しており、第三章は祇園祭に沸く京の都や、社寺参詣や物見遊山の人々でにぎわう各地の名所を描いた作品でした。
平和な時代を寿ぐ江戸時代の絵画の数々を楽しむことが出来、特に「洛中洛外図屏風」は興味深い作品でした。

根津美術館のもうひとつの見どころは、都心とは思えない本格的な日本庭園です。
一歩、足を踏み入れただけで、目の前に四季折々の自然ゆたかな景色が広がり、森の中にいるようにさわやかな空気は、ここが東京だということを忘れさせてくれるほどです。
私が訪ねた時、ちょうど園内は「弘仁亭の燕子花」が見頃を迎えていました。

NEWS23に小川彩佳アナ 、TBS発表。  法華坊主 joe

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