単なる複製やコピーではない。

2019年 08月27日 - 日常

昨日、沼津での会合の帰り、横浜・そごう美術館で開催の『令和元年記念 北斎展[HOKUSAI] 』(~9/1)を観てきました。
今回は、冨獄三十六景がリ・クリエイト(複製画)で勢揃いしており、最新のデジタル・リマスタリング技術で180年前の色彩を求めて再創造した冨獄三十六景全46作品(拡大版)を一堂に展示してありました。
さらに、富獄百景102図も勢揃いしており、初摺本を底本に制作された復刻本を1枚ずつほどいての展示です。
他にも、北斎漫画全15編の展示や、版画の制作過程を道具も展示しながらわかりやすく解説が加えてありました。
本展の監修が、生物学者の福岡伸一先生であることを知り、納得しました。

葛飾北斎は、90才を迎える直前「天我をして五年の命を保たしめば 真正の画工となる得べし」と言い残して死にました。
天がせめてあと5年寿命を与えてくれたなら、わたしは真の画家となることができただろうに、と。
クリエイト・アートは、単なる複製やコピーではありません。
画家の生命は、周りを額で囲まれた四角い絵の中にあるのではなく、むしろ四角いフレームに囲まれた絵と絵の「あいだ」にこそあるのです。
全作品、全連作を、北斎の生きた時間軸に沿って陳列し、芸術作品の「あいだ」、つまり文脈を浮かび上がらせる試みなのです。
このときはじめて、画家の人生の生命潮流全体が浮かび上がってくるのだ、と紹介してありました。
北斎の作品群を一堂に集めることによって立ち上がってくる彼の躍動と潮流。
それと同時に絵の細部に宿る彼の試行錯誤や苦悩、そして渇望を感じてほしいと思わせる貴重な展覧会でした。
観後会は、東京駅の沖縄料理店でリ・クリエイトの魅力について語り合いました。

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