心を掴んで離さない傑作。

2019年 08月31日 - 日常

今回の上京では、福島ではやってない「存在のない子どもたち」を観ました。
ナディーン・ラバキー監督が手がける社会派ドラマで、レバノンの貧民窟に住む少年ゼインが、さまざまな困難に向き合いながら、ひたむきに生きていく様を捉えます。
ゼイン役のゼイン・アル・ラフィーアを筆頭に、出演者の大半を演じる役柄によく似た境遇にある一般人をキャスティングしているとのことで、ラバキー監督も検事役で出演していました。
この映画は、第71回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したほか、アカデミー賞およびゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされるなどの評価を得ています。

この映画が突き付けているのは、わたしたちが当たり前に受け取っている「近代国民国家」の暗部であり、社会システムに組み込まれた「構造的暴力」の静かな告発です。
この映画を観て、多くの方が忘れてしまいがちな、世界中に根差す貧困問題を思い返してくれることを祈ります。
そして、絶望の中に生き、親からの愛情を知らない子供が、人を思いやり、愛することが出来るということに心をえぐられ、涙する作品でした。
映画を見ることで世界を変えられませんが、「存在のない子供たち」を観れば、いつもより少しだけ、優しい心でいられるかもしれませんね。

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