風を鎮めるための風祭り。

2019年 09月2日 - 日常

昨日は、夏目漱石の『二百十日』を紹介しました。
二百十日の頃は稲が開花する重要な時期ですが、農作物に甚大な影響を与える台風に見舞われることも多い時期です。
そこで、過去の経験から、農家にとっては油断のならないこの日を厄日として戒めるようになりました。
農作物を守るために風を鎮めるための風祭りは全国各地に残っています。
特に有名なのが富山市八尾町で行われる風祭り、越中八尾「おわら風の盆」。
独特の風情が人気を呼び、小説や歌にも数多く登場しています。
越中八尾「おわら風の盆」は、風を鎮める豊年祈願と盆踊りが融合し、娯楽のひとつとして愛しまれてきたお祭りで、300年以上の歴史があります。
坂の町・八尾の古い街並みに哀愁をおびた胡弓の音色が響き、「越中おわら節」にのせて、編み笠をかぶった男女が踊り歩きます。
誰もが楽しめる「豊年踊り」、優雅な「女踊り」、勇壮な「男踊り」があり、男女ペアで艶やかに踊ることもあります。
今年こそ行ってみたいと念願していましたが叶わず、今から心がけておいて来年はぜひ行き一緒に行きましょうね。

二百十日は農家だけでなく、漁師にとっても出漁できるかどうかとともに、生死に関わる問題でもありました。
この二百十日を決めたのは、渋川春海という江戸時代の天文学者だそうです。
平安時代からそれまで約800年に渡って同じ暦が使われており、この暦は中国の唐朝から導入したもので、そもそもの日本と中国の緯度経度も違えば、実際に観測される太陽や月の動きとのずれも蓄積している状態でした。
この暦を改定したのが渋川春海です。
前例を覆すのは昔の日本でも大変で、暦の改定が認められるまでには難事だったようですが、「貞享暦(じょうきょうれき)」という初めて日本人の手による暦が施行されるようになりました。
春海は釣り好きであったそうで、二百十日を決めた理由には、品川の高齢の漁師から、立春から数えて210日に台風が来ると聞いたともいわれています。

韓国法相内定のタマネギ男、疑惑否定。  法華坊主 joe

投稿記事を読む - コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です