不老長寿を願う「菊の節句」。

2019年 09月9日 - 日常

今日は五節句のひとつ「重陽の節句(ちょうようのせっく)」です。
菊を用いて不老長寿を願うことから別名「菊の節句」といいます。
五節句とは、1月7日の人日の節句(七草の節句)、3月3日の上巳の節句(桃の節句)、5月5日の端午の節句(菖蒲の節句)、7月7日の七夕の節句(笹の節句)、9月9日の重陽の節句(菊の節句)をさします。
古来、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考え、その奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりで、めでたい反面悪いことにも転じやすいと考え、お祝いとともに厄祓いもしていました。
中でも一番大きな陽数(9)が重なる9月9日を、陽が重なると書いて「重陽の節句」と定め、不老長寿や繁栄を願う行事をしてきました。
また、七草・桃・菖蒲・笹・菊といったように、行事と関係する植物の名前を冠して呼ばれることも多く、9月9日は「菊の節句」と呼ばれています。
古来、菊は薬草としても用いられ、延寿の力があるとされ、また他の花に比べて花期も長く、日本の国花としても親しまれています。
重陽は、もともと中国由来の行事で、日本では平安時代ごろに貴族の宮中行事として取り入れられました。
当時は、中国から伝来したばかりの珍しい菊を眺めながら宴を催し、菊を用いて厄祓いや長寿祈願をしていました。
これが時代とともに民間にも広がり、江戸時代に五節句のひとつとなって親しまれるようになりました。
菊といえば晩秋の花という印象ですが、旧暦の9月9日は新暦の10月中ごろにあたり、まさに菊の美しい季節でした。
このころは農繁期であることや、新暦に替わって季節感が合わなくなったことなどから次第に廃れてきましたが、寿命を延ばすと信じられていた菊を使い、秋の収穫祭と合わせて祝うようにもなりました。

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