関根のヴァーミリオン。

2019年 10月18日 - 日常

福島県立美術館で開催されている「生誕120年・没後100年 関根正二展」(~11/10)を観てきました。
関根正二は福島県白河に生まれ、東京移住後16 歳でデビュー、19 歳のときに描いた《信仰の悲しみ》(重要文化財)が二科展樗牛賞を受けますが、翌年スペイン風邪で急逝してしまいます。
彼は、宗教的感情にみちた作品を描き、20 歳2カ月で夭折してから今年で100年を迎えました。
対象を刻み込む卓越した素描力と、朱や青緑色の鮮烈な色彩による神秘性を漂わせた作品群は、今なおわれわれの心をとらえて離しません。
展覧会は、関根の作品約100点、資料約20点、書簡約40点に加え、同時代の文学者や画家たちの作品と資料約50点をあわせて展示してありました。
ずいぶん前ですが、大原美術館で観た、関根正二19歳のときの作品《信仰の悲しみ》は、印象的でした。
大原美術館に展示されている作家のなかでは、関根正二が最年少です。
東京のあるコレクターが持っていたもので、1964(昭和39)年、東京画廊の山本孝氏が譲ってもらい、大原美術館に持ち込んだそうです。
その当時、若くして亡くなった関根はあまり評価されていませんでしたが、大原總一郎氏は数日眺めたあと購入を決断したというエピソードがあります。
「大原さんはこの作品をことのほか気に入り、『関根の数少ない絵の中でも傑作だから、大切にするように』と言っていた」と当時を知る元館長の藤田慎一郎氏が述べています。
必見の価値ありですから、福島に来たこの機会に鑑賞をお勧めします。

明日の降雨予報、被害がないように・・・。  法華坊主 joe

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