豚のまんじゅう?

2019年 12月8日 - 日常

暮のご挨拶で、大きなシクラメンを頂戴しました。
花屋さんの店頭にとりどりのシクラメンがでまわる光景は、初冬からクリスマス、そして新年にかけての風物詩としてすっかり定着していますが、本来シクラメンは早春花であり、俳句では春の季語とされます。
南フランスやイタリア、シチリア島などの原産地では、野豚がその球根を掘って食べることから、英語でSowbread(豚のパン)とも呼ばれ、そのため明治初期、日本にシクラメンが入ってきた当初は『豚のまんじゅう』と呼ばれていたそうです。 
それではあまりにかわいそうだというので、植物学者・牧野富太郎博士が、『篝火花』という和名をつけました。
花弁が反り返った姿は、夜間に漁に出て行く舟が、帰る浜辺の目印にするという篝火(かがりび)にどこか似ていていることに因むようです。
その後、まるいことを意味するCyclamen(英語のcycle=サイクル)という学名を直接使って『シクラメン』と呼ばれるようになりました。
すっかり無彩色になった冬景色に、華やかな彩りを添えてくれるシクラメンですが、小椋佳作詞・作曲のあの『シクラメンのかほり』のイメージが強いのでしょうか、どこかうれいを秘めた雰囲気をもっているようです。
小説家・劇作家であり、俳人でもあった久保田万太郎は「シクラメン 花のうれひを 葉にわかち」という一句を詠んでいます。

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