間もなく春ですよ。

2020年 02月21日 - 日常

節分をすぎると、実際の季節はまだ冬なのですが、気持ちの上では何となく春の到来を感じてしまいます。気温も低く朝夕は寒さも厳しいのですが、太陽の光は日毎に力強くなっていくのが実感できます。光の上ではもうすっかり春の雰囲気です。この季節を先人は「光の春」と表現しましたが、素晴らしい感性ではありませんか。それに合わせて、地中で眠っていた虫たちも春の気配を感じ始め、お互いに「間もなく春ですよ。起きる準備をしましょう」とばかり、活動し始めます。そんな中、今週上京した時に街路に咲いている花の名前は何?と尋ねたら、「沈丁花(じんちょうげ)」と教えてくれた人がいました。

この季節になると「沈丁花」の福郁たる香りが漂ってきます。中国が原産の「沈丁花」は、秋を運ぶ「金木犀」と同じように、その芳香を遠くに運び、季節を実感させてくれる花として、かなり古くから人々に愛されてきました。いつの頃に我が国に渡来したのかはっきり記述したものはないようですが、侍たちが活躍し始めた頃から人々に愛されていたようです。常緑の低木で高さはたかだか1メ-トル程度で、根元から密に分枝して半球状の樹形になる特徴があり、光沢のある厚い葉を繁らせ、その緑は寒気の中でも衰えることがなく、私たちの目を楽しませてくれます。

この白い花の持つ独特の強い芳香が、中国の高貴な香りとして知られている沈香や丁香に似ているところから、沈丁に香りという意味で「沈丁花」と名付けられたようです。花ことばは「栄光」「歓楽」だそうですが、確かにこの花の香りをかぐと何となく心がうずく気がします。これは単に春が来た喜びだけではないような、何か心から気持ちの高まりを感じ、何かよいことがおこるような予感さえ感じさせてくれると思いませんか。ちなみに香りが良いことで「沈丁花」「梔子(クチナシ)」「金木犀(キンモクセイ)」の3つは〈三大香木〉と呼ばれています。

 

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