春を告げる魚たち。

2020年 03月7日 - 日常

♫ 海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると~ ♬ なかにし礼が詞を書き、北原ミレイが歌った「石狩挽歌」は、ドラマチックな歌詞内容でした。

日本各地には「春告げ魚」と呼ばれる魚たちがいます。たとえば、春の季語にもなっている「鰆(さわら)」。「魚」偏に「春」と書くように、瀬戸内海を中心に春に旬を迎え、春の訪れを知らせる魚です。北国では、春告げ魚といえばかつては「鰊(にしん)」でしたが、不漁のため鰊に変わってメバルが春告げ魚と呼ばれるようになってきました。

一昔前なら春告げ魚といえば鰊でした。北海道の西岸では、冬が終わり春の訪れを感じる頃になると産卵を迎えた鰊が大挙して集まり、鰊の大漁で港は活気にあふれました。
鰊を干したものが「身欠き鰊」で、冷蔵や冷凍の技術がない時代、大漁に獲れるものの日持ちしない鰊を全国各地に運ぶために有効な方法でした。北前船が北海道の昆布や身欠き鰊を関西方面に運び、その身欠き鰊を使った「鰊そば」は、今も京都の名物料理です。
現在は鰊の漁獲高が減少し、ほとんどはカナダやロシア、ノルウェーなどからの輸入になっています。そこで、鰊に変わって春告げ魚と呼ばれているのが「メバル」です。日本中で獲れる近海魚ですが、東北地方近海で早春から旬を迎えるのは「ウスメバル」。たけのこの出る季節においしくなるといわれ、3月から5月頃に多く出回ります。煮つけにすると最高においしいですね。

鰊やメバル、鰆以外にも、「春告げ魚」と呼ばれる魚はいろいろいます。
兵庫県のイカナゴ、伊豆諸島のハマトビウオ、また、渓流釣りでは3月に解禁されることからアマゴやヤマメなども春告げ魚と呼ばれます。
地域や時代によっても春告げ魚は異なりますが、春先になるとぴちぴちと元気に集まってくる魚たちに、人は親しみを込めて「春告げ魚」と呼んだのでしょう。これからおいしい魚が出回る時季ですが、コロナ騒ぎが収まらないことには、食欲もわいてきませんよね。

 

福島県で初の感染確認、クルーズ船下船の乗客。  法華坊主 joe

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