花言葉は、あなたを信じる。

2020年 09月23日 - 日常

秋分の日が過ぎた境内は「百日紅」が満開です。
この木の花がおよそ百日もの間、咲くために付けられたという説もあります。
長く咲き続けるために、百日紅と名づけられ、和名では「サルスベリ」と読むのですね。
「猿も木から落ちる」という諺(ことわざ)がありますが、よりいっそう、猿が木から滑り落ちそうな木、その木の名前は「サルスベリ」、そのまんまですね。

山崎公園(せせらぎ菖蒲園)のサルスベリ|埼玉県富士見市

「百日紅」は「ひゃくじつこう」とも読みます。
朝鮮半島のある村では、昔、ある風習があり、龍神への生け贄として、若い娘が捧げられていたのです。
あるとき、その国の王子が村を通りかかります。
娘が生け贄にされそうな姿を見た王子は、龍神と戦うことを決意します。
王子は勇猛果敢に挑み、龍神を討ち取りました。
娘を救い出すと、二人の胸の内には、恋心が芽生えました。
しかし王子は、ひとまず村を去らなければなりません。
「百日後には必ず戻る」と言い置いて、王子は旅立っていきました。
ところが、約束の日、村に戻った王子は愕然とし、たいそう悲しみました。
娘が亡くなっていたのです。
嘆き悲しむ王子ですが、娘は戻ってきません。
やがて、娘のお墓がある場所から、1本の木が生え、花を咲かせました。
その花は、愛しき人を今か今かと待つかのように、百日間、咲き続けたといいます。
百日紅には、こうした悲恋の物語が隠されているのです。
花の色は濃淡それぞれの紅や白、淡い紫などですので、そこから「百日紅」「紫薇」と名づけられたことも想像できます。
サルスベリの花言葉には「雄弁」「饒舌」「あなたを信じる」などがありますが、「あなたを信じる」はこの悲恋物語が由来です。

いまだ続くコロナ禍ではありますが、少しの時間、花と物語の世界に入ってみてはいかがでしょう。

 

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