粗略な内容で失礼しました。

2020年 12月26日 - 日常

朝井まかての小説に、『草々不一』があります。
この本には8つの短編小説が収められていて、最後の短編の題名が本のタイトルになっています。
その『草々不一』で、「草々」も「不一」も手紙の末尾に書く決まり文句だと、再確認したことを覚えています。

朝井まかて著「草々不一」 - アーバンライフの愉しみ
「草々」の読み方は「そうそう」で、主に手紙文で頭語の「前略」とともに用いられる結語です。
同じ文字を重ねた「草々」を手紙の末尾に置くことで、取り急ぎ走り書きで手紙をしたためたことを表しています。
手紙文での時候のあいさつを省略しますという意味で用いられる「前略」を冒頭に置いたときに、粗略な内容で失礼しましたという意味合いを込めて「草々」で締めくくるという決まりになっているのです。
「不一」は「ふいつ」と読みます。
手紙の末尾に置き、書きたいことを十分に書き尽くせていないことを表す言葉で、「草々」と同様に前文を省いた粗略な書面の結語として使います。
「草々不一」と書く場合もありますが、「草々」か「不一」のどちらか一方を用いることが一般的です。
結語の「草々」あるいは「不一」と一対で使うことができる頭語は、日常よく使う「前略(ぜんりゃく)」のほかに「冠省(かんしょう)」や「急啓(きゅうけい)」などもあります。
「冠省」は手紙の冠にあたる前文を省いたことを示した言葉、「急啓」は急ぎ申し述べることを表した言葉で、いずれもあわただしく走り書きした簡略な文書であることを指しています。
昨日、ある団体の事務局でご一緒している先生と話題になり、きょうは「草々」と「不一」についてチョッとだけブログしてみました。
「頭語」「結語」といった使い方のルールを無視すると社会人として勉強不足であることが露呈してしまいます。
法華坊主は自省の念を込めて、文書は後々まで残るため、今後も注意を怠らないようにしたいものだと願っています。

 

コロナ変異種、全世界から新規入国停止。  法華坊主 joe

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