身近なものを独自の感性で表現。
2021年 07月16日 - 日常
安西水丸というイラストレーターをご存じですか?
2018年夏に福島県立美術館で「安西水丸展」が開催されましたから、憶えておられる方もいるでしょう。
安西水丸(1942-2014)は、1970年代より小説、漫画、絵本、エッセイや広告など多方面で活躍したイラストレーターです。
はじめ広告代理店や出版社に勤め、デザイン等の仕事をしながら、嵐山光三郎の勧めで「ガロ」に漫画を掲載、南房総での幼少期を題材とした「青の時代」が高い評価を受けます。
独立後は、村上春樹をはじめとする本の装幀や、「がたんごとんがたんごとん」などの絵本、和田誠との二人展、広告や執筆活動など幅広く活躍しました。
「その人にしか描けない絵」を追求し、身近なものを独自の感性で表現した作品は、私たちをユーモアと哀愁あふれる世界へと誘います。
彼の作品をあらためて観る機会を得ました。
安西水丸は「ホリゾンを引くことでコーヒーカップはちゃんとテーブルの上に載っているイメージを出せるし、花瓶なら出窓の張り出しに飾られているイメージを出せる」と語っていたといいます。
ホリゾンの入った画面の中に並ぶのは、果物やガラス瓶、時計にマッチ・・・。
シンプルで静かな構図に、少しとぼけた味わいを持った品々が温かみのある線で描かれています。
「旅」をテーマにした特別コーナー「たびたびの旅」では、旅にまつわる原画、原稿、郷土玩具、民芸品など初出品資料を含む約130点を展示。
生涯で国内外のさまざまな場所を訪れた「旅する人」・安西水丸にも迫り、二本松城(霞ヶ城)箕輪門を訪れたイラストは特に感動しました。
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