盆踊りは、祖霊を慰める霊鎮めの行事。

2021年 08月8日 - 日常

17日間の熱戦に幕を下ろすTOKYO2020オリンピック大会の閉会式セレモニーで、『東京音頭』が流れました。
ひと足早い盆踊りです。

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盆踊りといえば夏祭りの代表格ですが、単なるサマー・イベントではありません。
盆踊りとは、その名の通りお盆に関係する行事として始まりました。
本来、盆踊りはお盆にかえってきた祖霊を慰める霊鎮め(たましずめ)の行事です。
念仏踊り(自分で念仏を唱えながら踊る)から踊り念仏(念仏を唱える人と踊る人がいます)に発展した民族芸能が、盂蘭盆会(うらぼんえ=いわゆるお盆のこと)と結びつき、精霊を慰め送り出すための行事になりました。
多くの地域で15日の晩に盆踊りをし、16日に精霊送りをするのもそのためです。
さらに盆踊りには娯楽的な要素もあります。
盆踊りは地域の結びつきを深めたり、お盆に帰省した人々の再会の場になったり、男女の出会いの場でもあったのです。
盆踊りの歌詞に色恋ものやきわどい内容が多いのはそのためで、人々は年に一度の盆踊りに様々な思いを託しました。
本来、盆踊りの晩(旧暦7月15日)は満月なので、照明のない時代でも明るく過ごせ、月の引力の影響で人も高揚するため、盆踊りに最適だったのです。
盆踊りは、祖霊になった人々との別れを惜しむ踊りであり、人の出会いや別れとともに過ぎ行く夏を惜しむ踊りです。
子どもたちは無邪気にはしゃぎ、大人たちは様々な思いを胸に踊ります。
そのためでしょうか、楽しいだけではなく、なぜか切なさを感じます。
今年のお盆もコロナ禍の中で迎えなくてはなりません。
感染防止に最大限の注意を払い、「来年こそは!」の思いを持って、慎ましやかに過ごされることをお祈りいたします。

 

大会期間中に全国感染者3倍以上に。  法華坊主 joe

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