さらさら揺れる吾亦紅。
2021年 09月26日 - 日常
杉本眞人の歌で「吾亦紅(われもこう)」を知ったと、きのう記しました。
♬
マッチを擦れば おろしが吹いて
線香がやけに つき難(にく)い
さらさら揺れる 吾亦紅
ふと あなたの 吐息のようで
盆の休みに 帰れなかった
俺の杜撰(ずさん)さ 嘆いているか
あなたに あなたに 謝りたくて
仕事に名を借りた ご無沙汰
あなたに あなたに 謝りたくて
山裾の秋 ひとり逢いに来た
ただ あなたに 謝りたくて ♫
亡き母への想いを切々と歌って大ヒットした「吾亦紅」は、作詞:ちあき哲也、作曲:杉本眞人のコンビで、歌手すぎもとまさとが歌い、2007年に発表されました。
主にその歌詞と写真とのコラボレーションを通じて、誰もがこころの片隅に幾ばくかなりと持ち合わせている「母」なる心象風景に染みわたっていく歌詞が共感を呼びました。
初回出荷わずか258枚から団塊の世代を中心に口コミで評判が広まり、発売10ヶ月で30万枚を突破して話題になり、すぎもとまさとが2007年NHK「紅白歌合戦」に史上最年長で初出場し、亡き母への想いを切々と歌いあげています。
作曲を担った杉本眞人は作詞家・歌手でもあり、小柳ルミ子「お久しぶりね」、ちあきなおみ「紅い花」、美空ひばり「みれん酒」、和田アキ子「待ちわびて」など多くのヒット曲を手がけています。
作詞家ちあき哲也は、代表曲に庄野真代「飛んでイスタンブール」、矢沢永吉「止まらないHa~Ha、YES MY LOVE」、少年隊「仮面舞踏会」などたくさんのヒット曲があります。
杉本眞人氏の母の死を悼んで、同様に母を亡くした自らの体験と想いを重ね合わるようにして綴った詩がもとになって生まれた作品が「吾亦紅」です。
強く吹く風・つかない線香・実家の無い故郷など、切なさを綴った「吾亦紅」。
悲し気な花ですが、風の中でその花のように強く生きた人がいたのです。
最後まで子供の頃のように母親を呼ばなかった歌の主人公は、それを痛いほど分かったのでしょう。
この後は歌の主人公も「吾亦紅」のように生きていくのでしょうか。
新しく踏み出す道に吹く風が、母のように優しいものであることを願います。
きょうは彼岸の最終日、もう一度お墓に手を合わせ、母を思い出してみませんか?
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