旧庫裡解体・・・棟札(むなふだ)発見
2013年 01月10日 - 日常
旧庫裡の解体工事も4日目になりました。
探していた「棟札(むなふだ)」が見つかりました。
棟札とは、寺社・民家など建物の建築・修築の記録・記念として、棟木・梁など建物内部の高所に取り付けた札を言います。書かれる内容は、築造・修理の目的を記した意趣文やその年月日や建築主・大工の名・工事の目的など建築記録です。棟札は、普通の利用者には見えない位置に取り付けられるため、年月か経つとしばしば存在が忘れられてしまうことがありますが、そうした棟札が解体・修理の際に発見されることがあるのです。
今回発見の棟札は、昭和38年に屋根替えを行った時に浄書し奉掲されたもののようです。うす汚れてハッキリ見えませんが、次のようなことが書かれています。
最近の建築は、あまりにも儀式の簡略があって、地鎮式・上棟式・落成式の三儀式をすべて完璧に式行うことが少なくなりました。
地鎮式は、土地の上に建物を建てるにあたり、その土地の守護神等に、今後未来永劫に御護りいただく為の祈祷と、その土地の邪気を払い、土地に付いている迷霊を供養し、因縁関係の諸霊を成仏させるのです。さらに工事が障りなく順調に完成するように祈願する儀式です。
上棟式は、基礎工事が終了して、棟を上げるときに法味を言上して、御本尊をしたためた「棟札」を上げて工事の円満成就を祈念する儀式を言います。
落成式は、新築の建造物や家屋が完成したとき、入居する前にお払いをして家内安全・除災得幸を祈念する儀式で、これを行うことによって新たな出発が出来るのです。
家を新築する時には必ず修行しなければいけない儀式ですが、怠っていることが多いのが現状のようです。特にハウスメーカーなどは安易に儀式を済ませてしまうことが当たり前のようになっています。
立正院では、地鎮式・上棟式・落成式の供養と祈願を承っています。土地・家屋の供養と、未来永劫への安心安全の祈願をつとめてまいりましょう。
解体完了までには、もうちょっとかかりそうです。
ありがとうございました。 法華坊主 joe