安全で着実な方法

2017年 03月26日 - 日常

政府は今月21日の閣議で、「共謀罪」の構成要件を改めて、「テロ等準備罪」を新設する法案を決定しました。
この国会での「重要法案」と言われながらも、金田法務大臣が答弁に窮することも多く、時に安倍首相が援護・弁明にまわる場面が見られます。
先年に可決された「安保関連法」「個人情報保護法」に続き、今回の法案も急ぎすぎてはいませんか。
そこで「急がば回れ」という諺(ことわざ)の由来を説明します。
この諺は、「もののふの やばせの舟は早くとも 急がばまわれ 瀬田の長橋」という和歌によるものです。
室町時代の和歌集『雲玉和歌抄(うんぎょくわかしょう)』には、平安後期の歌人・源俊頼(みなもとのとしより)が詠んだものだとあります。
一方、江戸時代の咄本(はなしぼん)『醒睡笑(せいすいしょう)』には、室町時代の連歌師・宗長(そうちょう)の歌として紹介されているなど、諸説あるようです。

「もののふ」とは武士のことで、「やばせ(矢橋)の舟」は滋賀県草津市矢橋港から大津市石場港までの琵琶湖上を渡す船のことです。
そして「瀬田の長橋」は日本三大名橋「瀬田の唐橋」のことです。
瀬田の唐橋経由は陸路で約12キロ、船で琵琶湖の水路を行くと約半分の6キロ。
時間的には早いのですが、比叡山吹きおろしの突風(比叡おろし)によって転覆などの危険がありました。
矢橋の渡し船を利用して琵琶湖を渡るよりも、瀬田の唐橋を利用する方が着実であり、結果的には目的地に早く到着することを例えたものです。
急ぐときには、危険な近道より遠くても安全な本道を通るほうが結局早いということで、私たちの日常生活においても「安全で着実な方法をとれ」という戒めです。
スピードを求められる昨今ですが、お互いに肝に銘じなければいけませんね。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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