日常

盂蘭盆施餓鬼法要 Ⅱ

2013年 08月21日 - 日常

前便の続きです。

南下原児童遊び場、福島大学に引き続き、水向供養に向かったのは、阿武隈川での川施餓鬼です。
上蓬莱橋から眼下の阿武隈川を眺めると、水量はいつもの年の半分以下で、今夏の水不足がわかります。
この橋から身を投げる人が絶えない場所ですので、川施餓鬼に併せ自害者の追善供養を懇ろに申し上げました。

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続いての供養は、松川事件殉難碑の前です。
松川事件(まつかわじけん)とは、1949年(昭和24年)8月17日に福島県の日本国有鉄道(国鉄)東北本線・松川駅ー金谷川駅間で起きた列車往来妨害事件のことです。
下山事件、三鷹事件と並び、第二次世界大戦後の「国鉄三大ミステリー事件」の一つといわれており、容疑者が逮捕されたものの、その後の裁判で全員が無罪となり、未解決事件となりました。
この地は、立正院から約6キロ離れた場所にあります。

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最後に訪れた場所は、羽山共同墓地です。
今は「美郷」といってとても静閑な新興住宅街ですが、開発される前までは「羽山」といって民間信仰の聖地でした。
羽山信仰は、東国なかでも奥羽に多くみられる信仰で、別に麓山・葉山・端山などの字が当てられるように、本山(奥山)に対する端山で、祖霊が宿る山とされ、農作神としても信仰されてきたと言われています。
この地を開発するときに携わったご縁で、20年余り供養を続けています。

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ご一緒いただきました皆さんに御礼申し上げます。また来年の施餓鬼法要の後、元気にお参りできるよう精進いたしましょう。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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盂蘭盆 施餓鬼法要 無事終えることができました

2013年 08月19日 - 日常

連日の猛暑、でも夏の陽差しが朝から燦燦と注ぐなか、昨日(18日)に施餓鬼法要を奉修しました。
ご参詣いただきました皆さま、お手伝いのスタッフの皆さま、本当に有り難うございました。

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本堂内では、例年のごとく東京浅草・長國寺の井桁ご住職のユーモアたっぷりの、でも深イイ御法話がありました。
引き続き、当山住職の導師により施餓鬼法要を修行し、先祖代々の霊位、新盆の霊位、有縁無縁の霊位等々の水向供養を申し上げました。
法要後、女性スタッフ手作りの精進昼食のお振る舞いがあり、皆さん笑顔で談笑しながら炎暑を満喫し参会となりました。

法要後、午後2時からこれまた酷暑のなか、町内の慰霊碑の供養と阿武隈川における川施餓鬼を、有志の信徒とともに執り行いました。
まず、お寺近くの児童遊び場には「妙法地蔵」が建立されており、3年に1度例大祭を行います。
今年は平素の供養で、近隣の有志が参加してお参りいたしました。

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次は、国立福島大学キャンパスにある供養仏の前です。
今から20年くらい前に大学が旧市内より現在の地に移転したとき、工事関係者が毎日のように幽霊の夢を見たという騒ぎが起き供養をしたことから、毎年お参りするようになり、土地の供養と学生の安全を祈願します。

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この後、阿武隈川・上蓬莱橋、松川事件殉難地、羽山聖地(現在の松川町美郷)で供養を行いました。

申し訳ありませんが、これから東日本大震災被災地の供養に有志と出かける時間になりました。
この続きと、被災地供養の詳報は、帰ってきたらお伝えします。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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猛暑・酷暑・炎暑 どれも皆、暑いです。

2013年 08月16日 - 日常

今年のお盆の棚経も炎暑と闘いながら、なんとか終了することが出来ました。
今日も最高気温は、35.9℃。連日の猛暑日。
おなか周りには、汗疹(あせも)ができました。
肥満の証か、酷暑のせいか。風呂上がりにシッカロールをぬって治療いたします。

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夕方、西の山を眺めていましたら、雲の合間から夕陽がまぶしく差し込んでいます。
明日もまた暑い一日になること間違い無しです。
先ほど後輩のお上人より電話があって「棚経お疲れさまです。今年は疲れましたね。暑さのせいですか、それとも歳のせいですか?」と・・・。
同感です。いずれもが原因でしょうが、例年にも増してしんどい盆経となりました。
でも、元気に明後日のお施餓鬼の準備をいたします。

お施餓鬼の起源は、釈尊の弟子の十大弟子の一人、阿難尊者(あなんそんじゃ)のお話です。
阿難尊者が一人で修行をしていると、突然目の前に餓鬼が現れました。
手足が針金のように細く、髪は逆立ち口から炎を吐くその餓鬼は「三日のうちにお前は死ぬ。そして私のような醜い餓鬼となるだろう」と阿難尊者に告げました。
阿難尊者は驚き、お釈迦さまに相談しました。
お釈迦さまは、「山海の新鮮な食物をお供えし、法要を営みなさい。お経の法力で供物は無量に増し、多くの餓鬼に施され、救われます。そして、施主であるあなたの寿命も延び、仏の道を悟ることができるでしょう。」とお答えになりました。
こうして、阿難尊者が餓鬼を供養したのが、施餓鬼会の始まりだとされています。
立正院もそうですが、「お施餓鬼」はお盆の法要に併せて行われることが多いようです。

お施餓鬼は前述のように、阿難尊者が餓鬼のために供養し寿命を延べた話から行われる法会です。
お盆は、目連尊者が餓鬼道に堕ちた母を救うために僧侶に供養した話が起源です。
どちらも餓鬼道に堕ちた精霊を救う点では同じですが、それぞれに由来の違いがあることを理解し、懇ろなる供養を行いましょう。

ありがとうございました。  法華坊主 joe 

      

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棚経 最終日 37.1℃ 暑~い

2013年 08月15日 - 日常

今日は、高校野球第1試合で福島県代表・聖光学院が惜敗。
熱い応援むなしく、3回戦進出ならず、朝からガッカリ(´д`)。

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午後からは急に気温が上昇して、息するごとに肺がチリチリと焼けるような感じです。
棚経も最終盤を迎えた頃、出先のお宅で夕方のニュースを見たところ、最高気温は37.1。暑~いです。

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これからは、18日の施餓鬼法要に向けて、またまた頑張ります。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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棚経 雑感

2013年 08月14日 - 日常

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何という花かは存じ上げませんが、道端一面に大輪の白い花が咲いています。
今日の福島市は、34.6℃。四万十市のように40℃超えではありませんが、連日の猛暑で棚経のペースもあがりません。
明日は36℃の予報。
棚経にお邪魔すると、帰省していた人たちがTシャツに短パン姿で横になりながらビール片手に高校野球観戦。
「何故オレは、こんな格好して汗だくになってお参りを続けているのだろうか」と自問しながら、読経唱題。
昔、同僚とこの時季にビール飲みながら「坊さんって、前世は悪いことしたのじゃないかね。だから皆がゆっくりするこの盆の時期が忙しいんだよ」と話したことを思い出しました。

高校野球は東北魂が奮起し、昨日までに5校(5県)が初戦突破でした。今日の秋田商が勝って東北6県全て勝ち進むことを期待しましたが零封。
明日は、福島県代表・聖光学院の2回戦(vs福井商)ですので、棚経の合間に、伺ったお宅で、移動の車内でチラチラ観戦いたしましょう。

夏祭りも佳境を迎え、今夜あたりは徳島の阿波踊りも盛況なことでしょう。

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来週いっぱい暑い日が続くと報道されています。お互いに熱中症などにならぬよう、元気に過ごしたいですね。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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無濾過の銘酒で、御供養の一献

2013年 08月13日 - 日常

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銘酒「星自慢」をごちそうになりました。
このお酒は、ちょうど2週間前に亡きご主人の納骨に参詣なされた奥様が、私の酒好きをご存じで頂戴したものです。
いつ開栓しようかと案じていましたが、今日ちょうどお盆の棚経にお伺いしたので、御供養をいただこうと勝手に決めつけ冷蔵庫に保管してあった銘酒をいただきました。

裏貼りの蘊蓄によると、
 無濾過とは・・・。お酒は酒と酒粕に分ける為に酒袋で搾るのが、最初の濾過です。
 更に雑味を取るために2回目の濾過をするのですが、香り・味まで取ってしまう場合があります。
 そこで、吟味して少量醸造したお酒はそのままの味と香りを味わって頂きたく最終濾過を行っておりません。
 出来たままの旨味と香りをお楽しみ頂ける自信作です。・・・とあります。

確かに、押しの強いグレーな旨味に渋苦が分厚い輪郭を形作っています。良い御供養が出来たと、自受法楽しています。

前便に書き損ねた部分を補足します。
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盆棚(精霊棚)には、必ずホオズキを飾ります。
お盆にはご先祖様や亡くなった方の霊が、迎え火や提灯の灯りを頼りに帰ってくるといわれています。
ホオズキは赤い色と言え、ぷっくりとふくらんだ形と言え、ちょうちんに似ています。
このことからほおずきを提灯に見立てて盆棚に飾るようになったと言われています。
また農作物の収穫が少なかった時代には、鮮やかなほおずきをお供えすることによって、お供え物の不足を補う意味もあったと言われています。

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ナスとキュウリにオガラ(割り箸でも可)をさして牛馬に見立てます。
精霊がお盆に我が家へ帰ってくる時、お盆が住んでお帰りになる時の乗り物とされています。
精霊が帰ってくる13日は家の方に向けて、お帰りになられる15日(16日)には家の外側に向ける地方もあります。
キュウリの馬はご先祖様の霊が一刻も早く家に帰って来てもらうための早い乗り物として、ナスの牛は帰る時にゆっくり帰ってもらうための遅い乗り物の意味とも言われています。

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ありがとういございました。  法華坊主 joe

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お盆には祖先を追慕し、懇ろなるご供養を・・・

2013年 08月13日 - 日常

今日からお盆です。

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一般に、「お盆」とは「盂蘭盆(うらぼん)」といい、『盂蘭盆経』によってお釈迦様の弟子である目連尊者(もくれんそんじゃ)が、お釈迦様の教えにより、餓鬼道(がきどう)に堕ちて苦しみを受けている母を、百味の飲食(おんじき)をもって修行僧たちに供養し、その功徳によって母を救ったという経説が、行事になったものです。
故郷を離れて暮らしている家族や親戚もこの時期に帰郷します。
祖先や亡き父母、大切な人を追慕し、故人を偲び、感謝・孝養を尽くす大切な機会でもあります。
今年も先祖への感謝・孝養の心を新たにし、「ふるさとの復興」とともに、私たちの心の回復に努めることも重要なことです。
この期間に、棚経(たなぎょう)といって、お寺からお檀家さんの家を訪ね、懇ろに読経唱題いたします。
またお盆が終了した後、お寺では「盂蘭盆 施餓鬼法要(せがきほうよう)」を奉修して、あらためて各家のご先祖様の供養を行いますので、ご参詣ください。
ちなみに、立正院の今年の「施餓鬼法要」は、8月18日(日)午前10時30分からです。
法話および法要、そして法要終了後には粗飯のお振る舞いがあります。

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さて、お盆のお飾りの方法は、地域によって、個々の家によってさまざまです。
それは、ご先祖様から受け継がれた伝統文化があるのです。
盆棚(精霊棚)は、お盆の時に作られる特別なまつり棚のことを言います。
ナスやキュウリで作った馬や牛、沢山のお供え物がのった棚を見たことがあると思いますが、それが盆棚です。地域によっては精霊棚(しょうりょうだな)と呼びます。
この盆棚(精霊棚)はご先祖様を迎える舞台のようなもので、ご本尊を掲げ、お位牌を中心にして飾られています。
置き場所に関しましては仏間に置くほか、地域によっては戸口・縁側・床の間に置くこともありますし、またお庭など外に置く地域もあるようです。
お盆のしきたりや風習は日本の各地域社会で独自に育まれてきたものですから、盆棚(精霊棚)の飾り方もそれぞれ大変ユニークで、さまざまな型でOKなのです。
大切なのは、ご先祖様をお迎えする側の、すなわち私たちの心と魂、そして信仰です。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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被災地で犠牲者の精霊に水向供養してきました。

2013年 08月9日 - 日常

棚経の予備日に予定していた今日の午前中、なんとか時間が取れそうだと判断し、帰省している二男を無理矢理起こし、被災地に向け早朝4時に寺を出発しました。
明日から本格的にお盆の棚経が始まるので、その前に大震災犠牲者の盂蘭盆水向供養をお勤めしたいと願っていたからです。
濃霧のなか高速道路を飛ばして、5時過ぎに曇り空の中から朝日がボンヤリと映る名取・閖上日和山に到着。
卒塔婆の前の草むしりをした後、読経唱題して被災後3回目のお盆のお参りをさせていただきました。

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少しずつ復旧されているのは確かですが、そのスピードは遅々としていて歯がゆいものがあります。

続いて閖上中学校。
大地震当日に卒業式を挙行していた閖中14名の生徒たちも元気でいたなら、今頃は高校生のはず。無念ですね。

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限られて時間であったので、すぐさま有料道路と国道6号線を南下して福島県の浜通りへ。
それでも寄り道して新地町の海岸沿いへ向かうと、まったく手つかず状態です。
倒壊したJRの駅舎は除去されているものの、レールは震災直後のままで。
住居のあった場所も、ガレキと雑草の山です。復旧とは言葉ばかりで、現実はまだまだ厳しいようです。

相馬市の原釜海水浴場駐車場にも立ち寄り、先日起塔した現場でお参りしました。

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一日も早い復旧復興をお祈りします。

帰路、車中で甲子園・高校野球を観ながら、福島県代表の聖光学院が辛勝しゲームセットと同時に無事に帰宅しました。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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青森ねぶた祭  立正院の提灯奉納

2013年 08月8日 - 日常

今日の福島は今年最高の34.7℃。
ようやく夏の日差しが届きました。
今月3日の梅雨明け後もスッキリとした真夏の太陽が影を潜め、局地的雨模様でしたので、待ちに待った夏空でクーラーフル回転です。

夏から秋にかけてはお祭りシーズン。日本各地でさまざまなお祭りや縁日が行われます。
夏祭りは、これまでの農作業の無事を祝い、労をねぎらって、豊作を祈祷し行われるものや、夏の疫病を封じて死者を弔うために行われるものなどがあります。
東北三大祭りは、青森のねぶた祭(2~7日)、秋田の竿燈まつり(3~6日)、仙台の七夕まつり(6~8日)です。
その青森ねぶたの山車に、今年の夏から「福島・立正院」の協賛提灯が奉納されています。

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ねぶた祭は、七夕まつりの灯籠流しと、津軽地方にあった習俗、精霊送りなどの行事が一体化したものと考えられています。
七夕の夜に川や海に灯籠を流した禊の行事「ねむた流し」が語源ともいわれています。
「ラッセラー、ラッセラー」のハネトのかけ声とともに大型の人形灯籠が練り歩く姿は、迫力満点です。
来夏、ねぶた祭に見学予定の方は奉納提灯を探してみてください。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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一芸に熟達・・・多芸を欲張るな

2013年 08月7日 - 日常

しばらくBLOGを発信しないから、熱中症にかかって倒れているのか、はたまた大雨に流されてしまったのかと、ご心配いただきましたが元気でおります。
忙中閑の隙間をぬって、会いたい人を訪ねてチョッと遠出していました。

彼の名は、「一芸に熟達せよ。多芸を欲ばる者は巧みならず。」(意訳=刀、槍、弓、馬など武士の心得るべき技が多いが、いくつもの技を身につけようとしても中途半端になる。 一つの技に堪能な者のほうが役に立つというわけである。)という名言を遺した、戦国時代の武将=長宗我部元親。

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ニコニコ大百科(dic.nicovideo.jp/a/)によると、「土佐の人物といえばまず第一に坂本竜馬、そしてその次に長宗我部元親・・・となっていたはずなのだが、大河ドラマの影響もありそれまで影の薄かった山内一豊にその座をすっかり奪われてしまった。しかし、近年はゲーム『戦国無双シリーズ』や『戦国BASARAシリーズ』などの影響により若い女性の間で密かな戦国武将ブームが起きているらしく、長宗我部元親の知名度が高まっているようだ。」と記されています。
本来なら一番人気であるはずが、彼が生きた時代背景や、後世の人々が取り扱う影響によって、その座を奪われたこと等々に共感をもって、彼の活躍の場を訪ねてみました。
紀行記はあらためて公開することとして、強く生きることの難しさを思い知らされた旅でありました。

さて、お参りに行ったお宅の玄関にツバメの巣がありました。
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我が家の母が生前中、わざわざ玄関のガラス窓一枚をはずし、ツバメの通り道を作ってい頃を思い出します。
『日本人の縁起とジンクス』(北嶋広敏著 PHP文庫 2007年)にはこういう題で紹介されております。
「ツバメは縁起のよい鳥、吉をもたらす鳥とされており、“ツバメが巣をかける家は栄える”などといわれている。とくに屋内や座敷などに巣を作るのは最高によいことだとされた。逆に、ツバメは不幸とか火災などが起こる家には入ってこないといわれる。」(中略)「ツバメは繁栄と幸福をもたらす。だからツバメに危害を加えると、不幸になる、病気になる、目がつぶれる、貧乏になる、などといわれている。」

ツバメは渡り鳥だから、色々な環境を察知するその鳥が、居心地の良い環境を選んで巣を作るわけだから、温度湿度的に考えてもいい家と言えるのではないのでしょうか。確かに自然の摂理に適った家は風水的にも良いみたいですし、総じて良い家として縁起がいいって事なのかな~と勝手に思いました。それが商いをしている場所ならば商売繁昌するともいいますね。

何にしても、事件と事故のニュースばかりが報じられる昨今、幸せを余呼び込む話題は嬉しいですね。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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