全ての仔犬に細く毛筋。

2019年 04月26日 - 日常

昨日観た「若冲」展について、更記します。
今回の展覧会は、個人蔵作品や米国美術館出展作品が多く、なかなか観ることの難しい若冲作品が集まった貴重な展覧会であったと思います。
また、彩色画よりも水墨画作品が中心ではあったせいか、いっそう若冲の持つ多彩な魅力を再認識できるものでした。
若冲と言えば、その繊細緻密かつ超写実的彩色が想起されますが、オープニングから「白鶴図」「鸚鵡図」「老松鸚鵡図」と、若冲ならではの技巧を駆使した彩色画が眼を楽しませてくれました。

今回の彩色画の呼びもののひとつは、絹本著色「百犬図」ではないでしょうか。
仔犬と言ったら円山応挙だと思うのですが、若冲の仔犬もそれぞれ異なるポーズで愛らしい表情をしています。
応挙の仔犬は無邪気なじゃれ合いが可愛いのですが、若冲の仔犬はふにゃふにゃ感があり、むんぎゅと掴まえたくなる面白さがあります。
ビクセンで子細に観ると、全ての仔犬に細く毛筋が描き込まれていて、思わず「サスガ若冲!」と唸ってしまいます。
群鶏図を多く描く若冲としては、仔犬は珍しい題材かもしれませんね。

母猿の手に掴まり水面に映る月を捉えようとする子猿を描く「猿猴捉月図」も必見です。
木蔦に掴まる母猿の腕から子猿の腕へと、視線を誘導する縦長の構図が面白く、洗練されたシンプルな水墨筆使いも見事でした。
平成から令和にかけての大型連休、ぜひ天才絵師・若冲の世界に身も心も陶酔してみませんか。

体操・内村航平、全日本予選落ち。  法華坊主 joe

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