正しい教えに導こうという慈悲深さ。
2022年 02月16日 - 日常
きょうは、日蓮聖人の降誕会(こうたんえ=誕生日)です。
その前夜、お母さまの梅菊は体内に大きな日輪が入ってくる夢をご覧になり、またお生れになったと同時に浜辺の岩からは清水がわき出し、沖に無数の蓮華が咲きほこったと伝えられています。
鎌倉時代の日本には、優れた仏教僧が大勢現れました。
確かに時代や国は日蓮聖人と同じでしたが、当然その生涯は少しずつ異なります。
なにより一番の違いは、法華経を広めなかったことにほかなりません。
中にはほとんど法華経の内容ともいえる教えを弟子たちに説いておきながら、最後には法華経を捨てるように指導した開祖もいるほどです。
本化の菩薩が現れる時や場所、その教えと生涯が法華経の予言通りであったのは、日蓮聖人だけだったのです。
日蓮聖人は、二度目の佐渡流罪を経てから『開目鈔(かいもくしょう)』や『観心本尊抄(かんじんほんぞんしょう)』といった主要な書物を著され、初めて法華経の根幹となる世界観を「大曼荼羅御本尊(だいまんだらごほんぞん)」に顕(あら)わされました。
これは、本当の真理をなかなか信じようとしない人たちを説得して、正しい教えに導こうという慈悲深さの現れにほかなりません。