親の意見と冷や酒は後で効く。

2021年 01月25日 - 日常

数年前から「日本酒ブーム」と言われ、酒店に行くとどれを選んでいいかわからないほどの銘柄と種類が並んでいます。
「親の意見と冷や酒は後で効く」「酒は憂いの玉箒」「酒は飲むとも飲まれるな」「酒は百薬の長」「酒池肉林」など、お酒にまつわることわざや故事が多くあり、私たちの文化や生活と関係が深いお酒ですが、日本ではいつから飲まれるようになったのでしょうか。
お酒造りを「醸(かも)す」というのは、この「噛む」が語源だと言われています。
また、奈良時代に編纂された『古事記』や『日本書記』にもお酒に関する多くの記述がたくさんあります。
平安時代になるとお酒の造り方も豊富になり、『延喜式』には、朝廷における酒造法が細かく書かれているそうです。
その後、平安京の官庁の衰退により、作り手が民間へ流れるとお酒造りの中心がお寺へと移ります。
寺院で作られたお酒は「僧坊酒(そうぼうしゅ)」と呼ばれ、なかなかの評判だったそうです。
なかでも、奈良の寺院で作られるお酒は「南都諸白(なんともろはく)」と呼ばれ、室町時代に至るまで高い名声を保ったといいます。
特に、正暦寺(しょうりゃくじ・奈良県奈良市)で造られたものは〈良い酒〉だと大人気だったとか。
正暦寺で開発された清酒の原型となる「諸白造り」という製法は、現在のお酒造りの元になったといいます。
日本酒の「甘口」「辛口」問題。日本酒度とは一体何なのか | きくつか ...
寺院でお酒が造られていたというお話をしましたが、古くから神社でも酒造りが神事として行われていました。
しかし、明治8(1875)年以降、お酒が課税対象となり、さらに、酒造免許の取得が義務付けられたことから、自由に造ることができなくなりました。
これにより、いち早く酒造免許を取得したのが、奈良の春日大社と大神神社だそうです。
現在ではそのほとんどが神社での酒造りを諦め、全国で清酒の酒造免許を持っている神社は、たった4社。
そのひとつに皇室の祖先神であり、日本国民の総氏神でもある天照大御神をお祀りする〈神宮〉があります。
神宮のお祭りでお供えされる御神酒は、白酒・黒酒・醴酒(一夜酒)・清酒の4種があり、清酒を除く3種は今でも内宮にある忌火屋殿(いみびやでん)で担当の神職により醸されているそうです。

今夜もおいしく頂戴いたしましょう。

 

菅首相、GOTOトラベル再開に意欲。  法華坊主 joe

投稿記事を読む - コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です