奇想の版画家=視覚の魔術師

2018年 07月16日 - 日常

「だまし絵(トロンプ・ルイユ)」で知られる20世紀を代表する奇想の版画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャ-(1898-1972)。
コンピュータのない時代に「版画」で作られた緻密かつ独創的で”ミラクル”な作品は、数学者や建築家といった幅広い専門家やクリエイターに影響を与え、今もなお多くの人々を魅了し続けています。
生誕120年を記念し開催する本展では、世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館から選りすぐりの約150点を日本初公開。
実際にありそうで現実には存在し得ない《相対性》など代表作のほか、初期の作品や木版、直筆のドローイングなどから、エッシャーが唯一無二と評される作品を生み出す過程を、8つのキーワードを通じて紐解いていきます。
デジタル時代の今だからこそ、「版画」にこだわり続けたエッシャーの偉業を再認識できる貴重な機会となることでしょう。
【公式ホームページより】

今日、機会をいただいて酷暑の中ですが会場まで30分並んだ甲斐あって、上野の森美術館で「エッシャー展」を観てきました。
例えば、
1)魚が鳥に変化するトリックが楽しい作品。
この頃にはエッシャーはベルギーに拠点を移し、グラナダの『アルハンブラ宮殿』で強い感銘を受けたという、モザイク模様の研究を始めています。
2)多元的な視点が複雑に交錯する『階段の家』は、まさにエッシャー世界を象徴する“新しい遠近法”を代表する作品。
この作品に登場する奇妙な虫のような生物は、彼のほかの作品にも登場しています。
3)『上昇と下降』は“ペンローズの階段”と呼ばれる不可能図形をもとに描かれています。
右回りに移動する人々は階段を上り、左回りに移動する人々は階段を下り続けています。
永遠に終わらない上昇と下降、いつまで見ていても飽きない絵ですね。

“視覚の魔術師”とも称されるエッシャーは、「トロンプ・ルイユ(騙し絵)」の画家としては世界一の知名度を持つアーティストです。
建築をモチーフとした幾何学的な騙し絵や、無限回廊などの不思議な騙し絵を、誰もがきっと見たことがあるはずでしょう。
「気合い入れて観よ」と思うお伴と一緒ならば、極暑なんて克服できます。
今夏、貴方もぜひエッシャーにお会いしてみては如何ですか。

W杯、フランス5大会振り2回目の優勝。  法華坊主 joe

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