少しでも長く続いて、終わらないで‼

2018年 08月5日 - 日常

三日連続の線香花火です。
江戸時代の俳諧選集である『洛陽集』には、葦やよしよりもう少し細い藁(わら)の先に火薬を付けた花火を香炉に立てて遊んでいる女性の様が詠まれています。
香炉や火鉢に立てた花火の格好が仏壇に供えた線香に似ているところから「線香花火」の名前がついたと言われています。
その線香花火に、2種類あるのをご存知でしょうか。
一つは、葦や藁の管の中に火薬を入れたもので、遊び方も手に持って上方45度に向けたり、火鉢などに立てて楽しむ 「スボ手牡丹」と呼ばれるものだそうです。
それに対して「長手牡丹」と呼ばれる線香花火は、藁ではなく和紙を使い、そこに火薬を付けて縒ったもので、下に垂らして燃やすものです。
「スボ手牡丹」は、細い葦や藁の入手が容易ではないためか江戸ではやがて廃れていきますが、関西では今も線香花火といえば「スボ手」のほうがなじみが深く文化として浸透しているそうです。
「スボ手牡丹」が廃れていった江戸でやがて人気を集めていくのが「長手牡丹」で、江戸の長手、上方のスボと分かれるのも文化の違い、風土の違いなのでしょう。
歴史を本で読んだり学ぶ楽しさは、事実を踏まえながらいろいろな可能性を想像すことでもあります。
「スボ手牡丹」に対して「長手牡丹」があるように、「鍵屋」といえば「玉屋」であり、「スボ手」を産み大流行させたのが鍵屋なら、「長手」を考案して大流行させたのであると考えることも許されるはずです。

夏の思い出として、線香花火を挙げる人が多いことはご存知でしょう。
暑い夏の日、家族や友達、恋人と一緒にはしゃいだ後、帰る前に最後にしゃがみこんで身を寄せ合い、小さな花火に火を点けた途端に周囲が急に静かになって、線香花火のパチパチという消え入りそうな音と光だけが響くのです。
線香花火の小さな火に願うその気持ちは、夏という一つの季節の終わりを感じる、少し切ない感情と似ているのだと思います。
今日みたいな日々がもう少し続いて欲しい、そんな気持ちと重ねてしまうのだと。
線香花火は、どこか少し切なくて、寂しい。でも、その燃える姿はとても綺麗なんです。
夏の夜、線香花火に火を点けて数十秒間に想いを馳せる・・・、そんな時間をあなたも過ごしてみませんか?

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