懐に右手が入るように着る

2018年 08月16日 - 日常

夏祭りや花火大会、あるいは温泉旅館など、意外と着る機会の多い浴衣ですが、実はあまり着方が分かっていない方が多いようです。
男性も間違えやすいのですが、最も間違えやすいのが女性の浴衣と言われていて、これには色々理由があるのですが、〈右前〉〈左前〉という名前の紛らわしさと、和服と洋服での常識の違いなどが考えられます。
まず初めに覚えておきたいのが、浴衣や着物などの和服は男女関係なく皆〈右前〉で着て下さい。
右側の襟が先に身体にくっつくように手前に入れることを〈右前〉と呼び、逆を〈左前〉と呼びます。
日本では古来より、和服が〈右前〉で死に装束が左前とされていますので、間違えないように気を付けましょう。
簡単な覚え方としては、懐に右手が入るように着るということです。

日本で〈右前〉が定着したのは奈良時代と言われていて、これは「衣服令(えぶくりょう)」という法令がこの時代に出されたからとされています。
この法令の中で「初令天下百姓右襟」と書かれていて、これが要するに〈右前〉で着なさいという内容になります。
中国では右より左の方が上位であるという考えがあり、位の高い高貴な人にだけが左前を許され、庶民は右前に着ていたという経緯があり、その影響によって日本でも右前の法令ができたとされています。
死に装束が〈左前〉の理由は、亡くなった時だけでも良い格好をさせてあげようという説です。
前述したように中国では左が上位だっため庶民は左前が許されてませんでした。
そこで、亡くなった時くらい階級上位の人たちと同じように左前で着させてあげようと始まったのが死に装束の左前だと言われています。
若い女性の皆さん、間違って「左前」で着ていませんか。

京都五山送り火、山上で黙祷。  法華坊主 jo

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