初物七十五日。

2019年 05月16日 - 日常

昨日に続いて「初鰹」。
江戸時代、初物を熱狂的に好んだ江戸の人々にとって、旬の鰹は別格も別格でした。
江戸八百八町では毎年、誰が「初鰹」を買うか興味津々で、それを食することが江戸っ子の粋の証でもありました。
春から初夏にかけ、黒潮にのって太平洋岸を北上する鰹は、脂身が少なくさっぱりとした味が美味です。
旬の味覚だからこそ、薬味をいっぱいのせてこの時期の味を食べなきゃソンというものです。
「女房を質に入れても初鰹」と川柳に読まれたりするほど、江戸での初鰹の人気は熱狂を極めていました。
当時は文政6年(1823年)11代将軍家斉のころには、初鰹1本に金4両という最高値がつけられたとも伝えられています。
町方奉公人の年収が男性で2両といわれている時代ですから、庶民にとって目の飛び出るような金額だったはずです。
現在も年始めの魚河岸初競りで高額取引が行われていますが、まさにそれと同じような感覚だったのでしょう。
初鰹はなぜそこまでの大フィーバーを巻き起こしたのでしょうか? 
それは江戸に「初物七十五日」ということわざがあり、時季初めのものを食べると寿命が75日延びるといわれていたからです。
特に鰹は鮮度が勝負の魚のため、いち早く食することでそのおいしさと御利益とステータスを得ようとしたのでしょう。
法華坊主は昨夜、女房を質に入れずに初鰹をいただきました(笑)

沖縄地方、梅雨入り。  法華坊主 joe

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