晩秋から初冬にかけてパラパラ降る雨。

2020年 11月5日 - 日常

「時雨」なんと読みますか? そうです「しぐれ」です。
秋の終わりから冬の初めにかけて、すなわち11月初旬の立冬の前後は雨が少ないように思われがちですが、日本海側や京都盆地、岐阜、長野、福島などの山間部では突然、空がかげったかと思うとハラハラと降りだし、短時間でサッとあがり、また降り出すといった雨にみまわれることがよくあります。
これが「時雨」です。
この時期は大陸性高気圧が勢力を増し、北西の季節風が吹き始め、これが「木枯し」となるわけですが、この風が中央脊梁山脈にあたって吹き上げ、冷やされた空気が雲をつくり降雨となります。
これの残りの湿った空気が風で山越えしてくるときに降る急雨が時雨なのです。
京都盆地を中心としたごく狭い地域でのローカルな気象現象にもかかわらず、和歌や俳句にとどまらず広い範囲の日本の文芸に時雨は初冬の象徴的な景物として広く取り上げられてきました。
江戸の昔から、一時的に軽い雨脚で降り過ぎていく雨を「時雨」といったりしてきました。
例えば、杉山杉風の句に「深川は月も時雨るる夜風かな」とありますが、本来の意味では関東平野に時雨はないのだそうです。

時雨(しぐれ)初冬 – 季語と歳時記

同じく「時雨」と書いて「じう」と読む場合もあり、この場合は「ちょうどよいときに降る雨」のことです。
時雨を用いた四字熟語に「時雨之化(じうのか)」があります。
その意味は「草木がほどよい時期の雨で成長するように、君子や聖者の恵みが万民に与えられること。有徳者や聖人の教えが、人民に広がっていくこと」です。
ますますわからなくなってきました。日本語は、奥が深いですね。

 

1日の感染者1000人超、8月以来。  法華坊主 joe

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