福が重なる縁起物。
2021年 01月13日 - 日常
今年のお正月はコロナウイルス感染拡大のため、寂しいお正月となりました。
いつもは大勢で楽しくいただくおせち料理も、いつもとは違った味わいでしたね。
ところで、おせち料理はなぜ重箱に詰めるのか、理由を考えたことはありますか?
お正月は、新年の神様である「年神様」を家に迎え入れ、五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄などの福を授けてもらうための行事です。
おせち料理は年神様のお供え料理であり、家族の幸せを祈る縁起物としての位置付けがありました。
おせち料理は縁起物なので、 重箱に詰めることにも「福が重なる」「めでたさが重なる」という願いが込められているのです。
現在使用されている重箱は三段重が一般的ですが、正式には四段重が基本です。
お重は上から、「一の重」、「二の重」、「三の重」、「与の重」と呼びます。
「四」は「死」を連想させることからお正月には縁起が悪いという理由で、「四の重」とは言わずに「与の重」と呼びました。
おせち料理を重箱に詰めるときは、お重ごとに詰める料理が決まっており、それぞれ、五、七、九の奇数の種類を詰めると縁起がよいとされています。
奇数は吉数とも呼ばれ縁起が良いためです。
一の重は「祝い肴」で、黒豆・数の子・田作り・紅白かまぼこなどを詰めます。
二の重は「口取り肴」いわゆる「口取り」です。
「口取り」とは、「八寸」と呼ばれるもので、会席料理の際に最初に出される料理のことです。
おせち料理では、きんとん・伊達巻き・昆布巻きなど甘いものや、紅白なますなど酢の物を詰めます。
三の重は「焼き物」で、海老の塩焼き・ブリの照り焼き・イカの松笠焼きなど海の幸が中心となります。
与(四)の重は「煮物」で、野菜のお煮しめや筑前煮など山の幸を詰めていきます。
これは一例に過ぎず、古くから伝わる重箱の使い方も日々変化おせち料理の内容、お重の段数や詰め方などは地方によってしきたりが違うため、少しずつ異なります。
また、近年では家族の好みや流行も取り入れられるようになり、洋風おせちや中華おせちなどおせち料理も多彩に変化してきました。
特徴はそれぞれですが、先人の知恵や風習を大切にして、来年こそは家族そろっておせち料理を楽しみたいですね。
福島県は「コロナ緊急対策期間」、~2/7。 法華坊主 joe