動物と妖怪が生き生きとしてて。

2021年 06月3日 - 日常

晴天に恵まれた昨日(2日)、終了間近の「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」を郡山市立美術館で観てきました。
歌川国芳(1797~1861)は、ダイナミックな武者絵やユニークな戯画で、幕末期の衰えつつあった浮世絵界に新機軸を打ち出した〈奇想の浮世絵師〉として注目を集めています。
人情に厚く、生粋の江戸っ子であった国芳のもとには多くの弟子が集いましたが、なかでも国芳から大きな影響を受けた絵師のひとりが、血みどろで残酷な場面を多く描き〈最後の浮世絵師〉と称された月岡芳年(1839~92)です。

特別展 挑む浮世絵 国芳から芳年へ | 名古屋市博物館 | 美術館・展覧会 ...

今回の目玉の作品が、国芳の「相馬の古内裏」。
平将門の遺児・滝夜叉姫(左端)が数100体の骸骨を動かし謀反を企てるところを、とてつもなく大きな1体にまとめて、小さな武士に襲い掛からせようとしているけど、それが怪異の迫力、それに打ち勝つ人間の強さをアピールしています。
そして、弟子の芳年と芳幾が描いた「英名二十八衆句」は、歌舞伎の残虐な28場面を、血みどろの効果を高める印刷技術を開発したそうです。
展示ルームではこれが28枚ずらりと並んでいて、確かにリアルで迫力はありますが、ちょっと食傷気味。
一応これについて作者は「これは自分たちの戒めにするため。この絵を見て賊になったのは描いた人の責任ではなく見る人の責任」と責任転嫁しています(笑)。
この企画展で見られる作品は、「芸術」というよりむしろ「漫画」に近いので、とても軽い気持ちで観ることができました。
後半はすべて写真OKという太っ腹、それで入場料は何と800円、常設展付でした。

 

東京五輪、開幕まで50日。  法華坊主 joe

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