雪ウサギ
2015年 04月17日 - 日常
冬の間、厚い雪におおわれて、真っ白にかがやいた山肌も徐々に黒っぽい地肌をのぞかせて、それと共に山肌には「雪形」と呼ばれる残雪がつくりだす造形美が現れて来ました。
我が家の裏山=吾妻小富士には「種まきウサギ」または「雪ウサギ」と呼ばれる雪形が見られます。
昔から地元の農民はこの「ウサギ」を見ることによって春の訪れを知り、苗代に種まきを始めたともいわれ、現在では福島地方の早春のシンボルとして一般に親しまれています。
他にも、北アルプスの爺ヶ岳には「種蒔き爺さん」と呼ばれる雪形が現れます。
また中央アルプス宝剣岳の稜線上には「島田娘」と呼ばれる、左を向いた日本髪のお嫁さんの形がきれいにあらわれます。
さらに北アルプスの鹿島槍ヶ岳には「下り獅子」と呼ばれる、ライオンが山をかけ下るような形がうき出ています。
北アルプスの五竜岳では甲斐の武田氏の家紋そっくりの雪形が現れます。
これらは、いずれも雪の消えた地面が形をなすものですが、ふもとの人々が残雪の山を見上げて名付けられたたものでしょう。
雪国の山ろくに暮らしを営む人々は、昔からこれらの雪形が現れると、種を蒔いたり、田植えを始めたりと農作業を始める上での、自然のこよみとして利用して来たんですね。
ありがとうございました。 法華坊主 joe