立夏雑感

2015年 05月6日 - 日常

♫ やねよりたかい こいのぼり
 おおきいまごいは おとおさん
  ちいさいひごいは こどもたち
  おもしろそうに およいでる ♪
d_wanpaku
すっかりお馴染みの鯉のぼりですが、どうして魚が空を泳いでいるのか、不思議に思いませんか。
鯉のぼりには有名なお話があり、我が子の成長を願う親心が込められています。
中国の黄河上流に竜門という激流が連なる滝があり、そこを登り切った魚は霊力が宿って竜になるといわれていました。
その滝を登るほどの勢いのある淡水魚といえば、清流だけでなく池や沼地などでも生息できる生命力の強い鯉をおいてほかにはありません。
ある時1匹の鯉が激しい滝水に逆らいながら竜門を登りきったところ、鯉は竜へと変身し、天に昇っていきました。
鯉のぼりには、人生という流れの中で遭遇する難関を鯉のように突破し、立身出世して欲しいという願いが込められています。
また、中国では竜は皇帝の象徴でもあり、とても縁起のいいもののひとつです。
もともと日本では、将軍に男の子が生まれると旗指物という家紋のついた旗や幟(のぼり)を立てて祝う風習がありました。
やがてこれが武家に広がり、男の子が生まれた印として幟を立てるようになります。
そんな武家を見習い、江戸庶民の間で鯉の滝登りで立身出世のシンボルとなった鯉を幟にするアイデアがうまれました。
こうして武家の幟に対して、町人の間で鯉幟(こいのぼり)が揚げられるようになり、端午の節句に欠かせないものとなりました。
江戸時代は和紙に鯉の絵を描いたものでしたが、大正時代に破れない綿の鯉のぼりとなり、昭和30年代に入ってから合成繊維の鯉のぼりも誕生し、広く親しまれるようになりました。

そして今日は「立夏(りっか)」。
立夏は、春分と夏至のちょうど中間にあたります。
暦の上での夏の始まり。この日から立秋の前日までが夏季になります。
新緑の季節で、九州では麦が穂を出し、北海道では馬鈴薯や豆の種まきが始まります。
蛙が鳴き出すのもこの頃からです。
夏といっても、本格的な夏はまだまだ先。
日差しが強くなり気温が高くなる日もありますが、基本的には暑くもなく寒くもなく、湿度が低く風もさわやか。
とても過ごしやすく、レジャーやお出掛けに最適の季節です。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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