嫁が実家へ帰る日

2016年 01月16日 - 日常

今日1月16日は、お盆の7月16日と並んで「藪入り(やぶいり)」の日です。
「藪入り」とは、住み込みの奉公人や嫁いできた嫁が実家へ帰ることができる休日のことです。
江戸時代に広がった風習で、昔は奉公人に定休日などなく、嫁も実家に帰ることはままならなかったため、藪入りだけが、大手を振って家に帰ったり、遊びに出かけたりできる日だったのです。
その語源は、藪の深い田舎に帰るからという説、奉公人を実家に帰す「宿入り」がなまったという説などがありますが、定かではありません。
また、正月の「藪入り」に対し、お盆のほうを「後(のち)の藪入り」ともいいます。
藪入り前日の1月15日、7月15日は、それぞれ小正月、お盆という重要な祭日です。
そこで、奉公先や嫁入り先の用事を済ませ、その翌日の16日は、実家の行事にも参加できるよう休みが与えられたようです。
現在のように定休日がなかった時代に、正月と盆の薮入りは、奉公人たちにとって大変貴重で待ち遠しい日でした。
薮入りの日、主人は奉公人に着物や小遣いを与え、親元に送り出します。
親元では親が首を長くして子どもの帰りを待っていて、親子水入らずのひとときを過ごしたのでしょう。
また、親元に帰れない者も芝居見物などに出かけ、年2回だけのお休みを楽しんでいました。
嬉しいことが重なった時「盆と正月が一緒に来たよう」といいますが、昔の奉公人には、このふたつの薮入りは本当に楽しみだったに違いありません。
戦後、労働スタイルが変化し、日曜日などの定休日ができると藪入りはすたれましたが、藪入りの伝統は正月休み、あるいは盆休みの帰省として残っています。
現在は住み込みの奉公人もおりませんし、嫁いできた嫁が実家に帰るのも自由な時代です。
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今年の正月も半分過ぎましたが、まさに平和ボケの世相ですね。

ありがとうございました。  法華坊主 joe

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